関節・骨・軟部組織はなぜ痛む?【日野市 関節痛】

query_builder 2020/11/19
ブログ
腰の痛み

皆様、おはようございます。


日野市多摩平の多摩平バランス整骨院の野原です。


今日は、痛みの出る仕組みについてです。


なんで痛くなるのかちょっと考えてみましょう!


まずは関節の痛みについて理解しましょう。

 

  関節が腫れるとなぜ痛いのか?


 
関節の痛みは、基本的に炎症によるものです。

 
関節が摩耗したり、破壊されると、それを修復するために白血球が集まって炎症が起こり、ブラジキニンなどの 物質が関節内に放出されます。

 
これらの物質には発痛作用や発痛増強作用があるため、関節内の関節包や関節靭帯などに存在する侵害受容器を刺激し、痛みを起こします。


 
一方、急性期には滑膜に白血球が集まって炎症を起こしますが、関節リウマチのように慢性的に炎症が起こると、 滑膜にマクロファージやT細胞(リンパ球の一種)が浸潤します。

 
すると骨膜の細胞から TNFαやインターロイキンなどのサイトカインが放出され、肥満細胞や血管組織などからブラジキニンプロスタグランジン、ロイコトリエン、ヒスタミンなどの物質が 分泌されます。そのため、痛みが起こります。

 

  
さらに、TNFαやインターロイキンなどは滑膜の増殖を促すため、骨膜細胞は軟骨を破壊しながら浸潤していきます。

 
そのため、関節の変形が起こるのです。


 
なお、関節痛の場合、痛みは安静時に起こる自発痛と動作時のみの起こる運動時痛とに分別できます。

 

一般的に自発痛は関節の摩耗や破壊により遊離されたブラジキニンなどの発痛物質が侵害受容器を直接刺激することで痛みを起こします。

 

 運動時痛はプロスタグランジンなどの発痛増強物質が侵害受容器の感受性を高めることで、通常痛みと感じないような弱い刺激でも痛みと感じているものと 考えられています。




次に骨の痛みについて理解しましょう。                                           

 骨が折れるとなぜ痛いのか?



 
骨が折れるととても痛いものです。しかし、骨本体には痛みを感じる侵害受容器はほとんどありません。 では、骨折するとなぜ痛みが起こるのでしょう?


 
骨は骨本体(骨皮質と骨髄腔)と骨膜から構成されています。骨本体では骨髄腔に多少侵害受容器があるのみでほとんど侵害受容器はありませんが、 骨膜には侵害受容器が豊富に存在します。


 
つまり、骨が折れたとき、骨本体が痛いのではなく、破壊に伴う炎症や骨折に伴う機械刺激などで骨膜の侵害受容器が興奮し、 痛みを起こすのです。


 
一方、骨折以外の痛み、例えば癌に伴う骨転移では、骨折時の痛みでとは多少異なります。骨で癌細胞が増殖すると、癌細胞がプロスタグランジンやエンドセリン-1 (血管内皮細胞由来物質)などの物資を放出します。

これらの物質は、痛覚を過敏にさせるはたらきがあるため、骨髄腔内の侵害受容器を活性化することで痛覚過敏を 引き起こします。

 
また、癌細胞の増殖が進むと、癌細胞が骨髄内の知覚神経を圧迫・破壊し、神経損傷を起こします。

 
神経が損傷するといわゆる神経障害性疼痛と同じ原理で痛みが出現し、痛みは更に強くなります。



 一方、癌細胞は破骨細胞を増殖させ、骨融解が亢進すると共に 破骨細胞が徐々に死滅するため局所の酸性化が起こり、神経を興奮させます
。また、骨細胞が死滅すれば骨折が起こりやすくなり、骨膜に存在する侵害受容器を 刺激して痛みとなります。


 
このように、骨の痛みは骨膜、病態時には骨髄内に存在する侵害受容器が主に痛みを感じています。



最後に靭帯や椎間板など軟部組織の痛みを理解しましょう 。


腰痛は腰の筋肉や骨だけが原因ではない?  


 身体の中には、筋肉や骨、関節のように運動の中心となる部位もあれば、靭帯や椎間板などの軟部組織のように運動を補助する部位もあります。


 そもそも靭帯や椎間板などの軟部組織は、可動性の高い関節を安定させるために存在しており、関節を補強することが主な役割です。  


 しかし、これらには神経が分布しているため、痛みにも大きく関与する可能性があります。

 

 特に腰部や頚部のように安定性を求められる部位では 年齢とともに関節の安定性も低下することから、靭帯や椎間板の損傷も起こりやすく、痛みの原因となります。


 そのため、腰痛や頚部痛を考える際、 靭帯や椎間板は筋肉・関節・神経と並んで痛みの原因になりやすい部位と言えます。


  基本的に靭帯や椎間板の痛みは筋肉の痛みと似ており、重だるく局在が不明瞭なのが特徴です。また、筋肉と同様、遠隔部に関連痛を誘発することも 知られていますが、筋肉ほど明確な関連痛のパターンは理解されていません。


 そのため、腰痛や頚部などの痛みでは、 その原因が神経や関節によるものなのか、また筋肉や靭帯・椎間板などの関連痛なのかを判断することは難しく、治療に難渋するケースも多々見られます。


 そのため、痛みの性状や関連痛パターンなど多くの所見を参考に正確な診断が必要となります。


 このように、軟部組織は、機能的には関節を補強する役割ですが、痛みから考えるととても重要で複雑な部位といえます。


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